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ハネムーンクルーズ日記11(五日目・ギリシャ/ロードス島)

いかにもハネムーンといった素敵島を後にして、
次の日に訪れたのはロドス島です。




ロードス島とも言われます。
ロドスでもロードスでもいいらしいんですが、あいにく語尾に<戦記>はつきません。
それだと日本産のあの有名なファンタジー物語になってしまいます。
あっちとこっちは一切関係が無いのでお気をつけを。




あっちは竜と魔法とエルフの話。
こっちは剣と十字軍と騎士団の島です。




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……現実の世界設定ですらもファンタジー臭いってどういうこっちゃ。





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騎士の町なわけなんで、町の外は高い城壁で囲われています。
そしてその城壁の外の砂浜で、朝から凄いテンションで戯れている野良犬集団を発見。



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今までの町では人に興味のない野良猫ばかり見ていましたが、
どうやらこの島には野良犬も結構いる様子。


チャキチャキの犬好きである私ですが、とはいえ首輪も何もついていない野生育ちのワンワンが大群で暴れていたら、流石にたじろぐ。
うっかりあのテンションでこちらに向かわれたら、多分ぱっくりいかれるかしら。
とか何とか考えていましたが、どうやら彼ら、今までの野良と同じく一切人間に構おうとしない。
うむ。よかった。だがそれはそれで悲しい。



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犬が私に構ってくれないので、仕方ないから城壁の中へ入ってみました。



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遠くは新石器時代から人々が住み着き、前回話したサントリーニ島近辺で盛んだったミノア文明の人々も住んでいた由緒正しきロードス島。
とはいえ石器時代やらの面影は、当然とは言え見る影もありません。
世界的に有名で、「世界の七不思議」の一つにも数えられるアポロの巨像(紀元前300年頃に建っていたとされている「自由の女神級」のでかさの巨像)も、今や影も形もありません。



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残っているのは朽ち果てかけたアテネ神殿やら、その他ギリシャ神話系のモニュメント、の跡。


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それとこのロドス騎士団(聖ヨハネ騎士団)たちが住むために建てた勇ましい中世風住居たちです。


世界遺産にもなってる町の中は流石に綺麗で見ごたえがあり、
しかも今までの町と違う要塞風の造が中々厳しいです。


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ひろーーい。

堀のような跡に高い城壁、台場や砲台とかまであったりして…、
あれ、なんだろう。なんだか凄く、日本っぽい。
ともすれば名古屋城あたりに遊びに来ている感覚がある。
なんでだろう不思議。


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と思って城の周りを回っているうちに、なんとなく分かってきた。
今までイタリアとかで見てきた城壁たちは、生活区域を護るために街を囲む『城壁都市』だったわけですが、
今回のこの街は、歴史的に見れば最初に住民ありきではなく、
いわば騎士団たちの遠征先の駐屯地。

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しかしずいぶんとまあ駐屯してたもんだ(1309年~1522年)。


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ともあれ、言わばここは砦。つまり戦闘拠点なのです。
日本ではどうやらヨーロッパ式の城壁都市は流行らなかったため、城壁と言えばこっちのタイプの方が見慣れているのです。


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撃てーい。

いやあまさかロードス島で皇居感を味わうとは思わなかった。
不思議な事もあるもんだ。


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そんな感じでフラフラ街歩きしていたら、お昼。
今回は特に前情報を持ち合わせていなかったので、とりあえず一番栄えている広場みたいなところに来て見る。
すると各店のほうぼうから、果ては二階のバルコニーから身を乗り出しながら、その店一のイケメンと思わしき男たちが、あれやこれやと観光客にモーションを掛け捲る。
そのあまりにあけっぴろげ過ぎる客引き合戦はいっそすがすがしく、
我々もキチンと自分の(というか私だけの)お気に入りのイケメンを探し当てて無事入店。
しかしこの戦法…、野郎のみの観光客相手にはどうすればいいのだろう。



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バルコニーに出てみると、空の青さと黄色い建物の景色が凄く気持ちがいい。


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そして出てきたビールはむちゃくちゃでかい。
ジョッキのでかさがロバ並み。
しかもこれでも確かサイズ小を頼んだはず。

えっ、じゃあ大はどうなってたの?!と周りを見てみたら、
大の大人の手首からヒジぐらいまでのでかさの大型ジョッキになみなみと注がれている、あれがどうやら大らしい。

そしてその大ジョッキを、同じく客船から降りてきたらしき白人のおじ様なぞは、揃って頼んで笑いながら呑んでいる。

いやはや日本人が酒で欧州と張り合おうなんて無茶の極み。
何せオフィシャル飲酒可能年齢が16だったりする国がざらにある(exイタリアは16、ギリシャは15)そんな環境である。
下戸の存在が0パーセントなそんな国である。

その昔、シエナの大学で我々を教えていたパオロ先生は、
「ヨーロッパでは近代まで下水環境が最悪で、不衛生な水よりもワインやビールを常飲してたんだ。
だからきっと、下戸の遺伝子を持ってたヨーロッパ人はその時代で全員滅んじゃったんだよ」

という『ヨーロピアン下戸絶滅説』を熱く唱えていらっしゃいました。




……ま、あくまでも自論ですけど。
でも彼らの酒豪っぷりを見ていると、半ば適当論とも思えなくなってくる。





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そして食べたのはムール貝のギリシャ風リゾット。
ブリブリに大きなムール貝がモリモリに入っていて、貝エキスも盛りだくさん。非常に美味しい一品でした。

ただしもうとんでもなく量が多かったです。

並みの日本人なら多分これで2人前。
日本のレストランで頼んだらこれで3人前と言われそうなほどの大ボリューム。
これはちょっとゴードンに応援を要請したい、と思ったんですが…、



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あっちはあっちで馬鹿でかいステーキと格闘中。


結局、二人して息も絶え絶えに腹に押し込んだ記憶があります。
なんかここ数日昼の料理に腹を膨らませすぎて船での夕食がすんごい小食になってしまっている。
お陰で専属ウェイターさんに「体調悪いのか」と毎日軽く心配されるハメに。


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まあ仮に元気でランチを食べすぎていなくても、そもそも連日連夜フルコースのディナーなぞ食べられないっての。




ps.
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お昼も食べてご満悦で船に戻ろうと城壁の外に出てみると、
朝方砂浜で大騒ぎしていた<チーム野良犬>達が、これまた集団でお昼寝タイムに突入していました。



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寝ても起きても構ってくれない。


いくらこっちが写真を撮ろうともなでようとも、ちっとも起きてくれやしない。
酷い、私はこんなにもみんなに構ってもらいたいのに。



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よーし分かった。そんなに私に構ってくれないんならなぁ。


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そーれカーキコーキカーキコーキ。


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できた。


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どーだ。勝手にハートマークに収めてやったぞ。
「寄り添って眠るラブラブなわんわん」な感じに偽装してやったぞ。
これでこの場を通った他の観光客たちに、「オウ、キュート」
だの「ハウ、スイート」だの言われるがいいさ!!



……と高笑いと共にその場を立ち去り、しばらく歩いて振り向いてみたら、



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すぐに思った以上の人垣ができてびっくりした。
ロードス島に新名所を作ってやったぜ。



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ジール

出版社で仕事をした後イタリアに住み着く。
その後帰国し所帯を持ってからは映像編集の仕事に従事中。
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