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映画【ウォルト・ディズニーの約束】感想  - 2014.04.04 Fri

個人評価★★★★★



1964年に製作されたディズニーの実写×アニメのミュージカル映画【メリーポピンズ】。
その年のアカデミー賞5部門を受賞した歴史的大ヒット作なのだが、この物語にはパメラ・L・トラヴァースの原作小説があり、映画化までには相当な苦労があったようなのだ。
と言うのも、このミセス・トラヴァースが映画化の権利を一切譲らず、何だかんだで20年近く「譲れ」「嫌だ」の押し問答を続けていたのである。

数十年前からNOしか突きつけていないにも関わらずどうにもめげないディズニー側に業を煮やしたトラヴァースさんが、遠路はるばるイギリスのロンドンからウォルトディズニー本社にまで足を運ぶ所から物語は始まるのだが、
初登場シーンからアメリカ・カリフォルニア州のロサンゼルスへとやってくるまでのくだり5分の間で、彼女が『偏屈でプライドの高い子供嫌い』であるという紹介をすっかりやってのける演出は実にスマートだった。

かくして敵の本丸へとやってきたトラヴァース夫人を出迎えたのはディズニーアニメーション社きってのクリエイター達と、彼らのボスにして今や時代の寵児、ウォルトディズニー氏本人であった。
その後権利の譲渡をひとまずは『保留』として、製作首脳陣との合同企画会議が始まるわけなのだが、これがもうどうにもこうにも話が進まない。
こちらのアイディアを頭ごなしに全否定してくるトラヴァース夫人に対し、ウォルトは無理やり企画倒れを起こさせようとしているのではと勘繰ってしまう程で、二人の関係もまったく良い方向には向かわない。

それもそのはずで、ウォルトは彼女の事を『頑固でイマジネーション(歌やアニメーションなど)に理解のない堅物』だと思っており、彼女はウォルトの事を『妖怪・原作クラッシャー』だと思い込んでいる。
困った事にこの二つはある意味事実で、夫人の堅物っぷりは今までの流れで散々発揮されているし、ウォルトも白雪姫をあんな感じにしたりシンデレラをこんな感じにしたりとやりたい放題やっていた。それでもグリム童話が原作なら時代的に版権問題にもならないし、元が伝承ならたとえアレンジされてもそこまで言われる事は無いだろうが、トラヴァース夫人と同世代頃に出版された『クマのプーさん』でさえも、アレだけのトンでもアレンジで好き勝手作られたのだ。



クマのプーさん (岩波少年文庫 (008))クマのプーさん (岩波少年文庫 (008))
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そんなやからが、今度はいとしい我が子のような小説をとんでもない俺流改変でもって『金のなる木』に変えようとしている。
原作者である夫人にとっては戦々恐々もんだろう。そりゃあれだけ高慢な態度にもなるってもんかもしれない。


そんなわけでちっとも互いの溝が埋まる事も無く、会議室は気まずい空気ばかりが流れるのみ。けれどそんなにまでなっても何故か『企画をご破算にしよう』とはどちらも言わず、企画会議は続いて行くのだ。
それは単純に双方の予算の(夫人は長年新作を書いていないためにこの権利を売って自分の生活を守りたい、ウォルトは大ヒット作を映画にして大ヒットさせたい)問題もあっての事だとは思うのだが、根っこの部分では互いに感じ合う『才能』への興味があったのだと思う。

発揮されるジャンルは違えど、彼ら二人は世界にそうはいない程の『才能』に溢れている。類は友を呼ぶと言うべきか、立場や考え方の違い上分かりあえなくても、その魅力には惹かれるものがあるのだろう。
それと同じ事が、原作者のトラヴァース夫人と脚本家ドン、そして作詞・作曲を担当したシャーマン兄弟たちとの間でも起こっていた。
会議はギクシャクしっぱなしで一行に進まないが、それぞれの内にある才能を、それぞれがふとしたきっかけで気付き始める。
それでも、抜きんでた才能を持つ人間が他の才能を素直に認めるのは、凡人の我々よりもちょっとだけ厄介な壁があるのだろう。
そんな時、天才と天才の間に緩衝材の役目のようにスッと入ってくるのが、失礼ながら夫人程は特別な才能がまだ開花していなさそうなただの担当運転手だったりするのだ。
彼の誠実さに溢れる言動によって、彼女は物事の見方を変えるチャンスを与えられる。きっと同じような役目を、社内ではあのキュートなぽっちゃり受付嬢ちゃんが担っているのだろう。

かくして相手を、そして自分自身を互いに見つめ直す事によって、『「映画・メリーポピンズ」のあるべき姿』がゆっくりと形作られてゆく。
当初はそもそもミュージカルにする事から反対だったトラヴァース夫人が、シャーマン兄弟の歌と音楽に自然と体を揺らし足でリズムを取るようになったのを見つけた時の、ブラザーズ2人の心の中のガッツポーズが透けて見えたようで、思わずスクリーンのこちら側にいる我々までも嬉しくなってしまった。

そしてシャーマン兄弟も、脚本家のドンも、そして最後にウォルト・ディズニーも、彼女が小説『メリーポピンズ』に込めた思いをゆっくりと理解してゆく。
彼女は何のためにこの作品を書いたのか。メリーポピンズは一体誰を助けるためにやってきたのか。
最後の最後でお互いを理解し合えたトラヴァースとウォルトは彼女の家である約束をし、その後彼女は権利の契約書にサインをした。



かくしてようやく出来上がった『ミュージカル映画・メリーポピンズ』。その完成披露試写会にさっそうと現れたトラヴァース夫人。シャーマン兄弟の間に割って座ると、ウォルトに『改変』されたメリーポピンズを作り上げた彼らと共に見守るのだが……、そこにはウォルトによる彼女への理解で溢れていた。


上映が終わった後の、彼女の満面の笑顔の中に見える「ま、最悪って程では無かったわね」という表情は相変わらずと言えば相変わらずだが、そこには確かに誰にも越えられない『才能』という絆で結ばれた友情が見えていた。



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伝記風のドラマを楽しむには、何より『元ネタ』がある程度分かってた方が良い。
原作の小説まで手が回らなくとも、映画版メリー・ポピンズは必ず見てから行った方が良い。

そしてそのままメリーポピンズを机に置いたまま映画館へと出向く事をお勧めする。本作を見終えたら再びメリーポピンズを見返したくなる事請け合いだ。


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