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【巴里のアメリカ人】レビュー - 2013.08.16 Fri


巴里のアメリカ人 [Blu-ray]巴里のアメリカ人 [Blu-ray]
(2008/11/05)
ジーン・ケリー、レスリー・キャロン 他

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個人評価
★★★☆☆
巨額の制作費でもって壮大に作り上げられた、若干脚色めいた巴里の町並みと、キラキラのゴテゴテに塗られた少々目に痛過ぎる衣装や小道具の数々…。
『ミュージカルは突然人が歌ったりするリアルじゃない感じがどうにも……』というタイプの客層を一切見捨てた潔良い演出は実に見事である。
「リアルを追ってどうするよ、映画ってのは夢が詰まってるもんなんでい」
と息巻く大道具担当の親方の、捻りハチマキの柄まで透けて見えてきそうなそんな『人を喜ばせる』事だけに従事した見事な世界観に、
「そうだよ、アメリカ映画にはこういうドンチャン騒ぎを求めてるんだよ」
と思わず画面の向こうの親方にサムズアップしたくなるそんな映画だった。

そうだよこれがみんなの憧れハリウッド映画なんだよ。
これと火薬の量がアホ程多いアクション映画の2つが、世界中の映画ファンにトラウマに近いカルチャーショックを与えたんだよ。

ストーリーを盛り上げる演出は時に奇抜で常に非現実的。最近のCGを駆使した映画「インセプション」とかよりもよっぽど忠実に夢の世界を再現しているのではと思える程に投げっぱなしな世界観の数々は、
「えっ、このショットを撮るためだけにあのセット作ったの!?」
と見ているこっちがビビる程の気前の良いリズム感でもって惜しげもなく披露され、観客を冒頭数分であっという間に非現実世界である『映画』に引きずり込んでしまう。
そこで万を持して登場するのが、当時のハリウッドを黄金期へと導いた立役者にして振り付け師。偉大なるマルチプレイヤー、ジーンケリーなのである。

良くも悪くもハリボテ感満載な巴里の街の、その蛍光スプレーで塗装したような花の前で軽々とタップを踏んでみせるジーンケリーのなんてお洒落で粋な事。
気だるげにベッドから起き上がるその仕草一つですらもダンスチックで、その優雅さとは対照的にビックリするぐらい女性の扱いが雑でウザったいのも何だか面白い。
どう考えても乙女心クラッシャーな行動しか取っていないにも関わらず、あっという間に2人の女性と2人の男友達との間での奇妙な恋愛模様に転がり込んでいくのは多分映画の展開上の問題か、あるいは彼女たちも我々同様寝ぼけ眼でベッドをウザったそうに片付ける冒頭の彼のシーンをどこかで見ていたからなのだろう。

この映画はその年のアカデミー賞の6部門を勝ち取る程の大ヒットを飛ばしたのだが、
その勝因を決めたとも言われているのが、映画のラスト。
恋人とのすれ違い、男友達の勘違い。それぞれの隠し事が暴かれ、悲しみ、自身の不甲斐なさとどうしようもない憤りに責め立てられるジーンケリー。
今までの夢心地な世界観から急に現実の暗く冷たい巴里の石畳で画面が覆われ、この後、彼はどうなってしまうのかというと…、踊るのである。バレエを。しかも17分も。

今まで散々非現実世界に付き合ってきた観客たちも、この突き抜けすぎた演出にはさすがにびっくりしただろう。
しかもその場所はドライアイス吹き上がるコンコルド広場のような噴水の中だったりゴッホのような黄色にまみれた不思議なセットだったりと今まで以上に「これはとうとうイっちゃったか?」というようなとんでも世界観なのだ。
なんかもう、ここまで来ると江戸末期に勃発したええじゃないか運動の勢いである。
もう考えるだけは考えた。悩み尽くしてそれでもどうしようもないんだからもう後は踊っとけってなもんで半ばヤケクソ気味にお送りするこの17分。
だがこのカオスな世界観が浮き彫りにするのはゴッホの燃えるような黄色やロートレックのハッとするような赤の色彩。そしてその中で美しくステップを踏む巴里の恋人リズ……。
大戦後、他国に兵器を売りまくって儲けに儲けた国の子が見た巴里の街は、建国100数十年しか経っていない自国では到底太刀打ちできないほどの文化や芸術に溢れかえっていたのだ。
本土が指のささくれ程度にしか負傷しなかったアメリカと比べ、他国と他国がギッチギチなヨーロッパにあるフランスの焦土ぶりは凄まじく、本映画のロケ映像を通してみてもその面影はそこかしこにひっそり見切れている程。しかしそれでも歴史書物がペランペランなアメリカからは、なんと偉大でロマン溢れる世界に見えた事だろう。
これは長い歴史と文化へのどうにもならない憧れを抱いたアメリカ人の壮大なる讃歌なのだ。
これだけのパワーを持った映像は他に見たことない。
さすがはこのラストでアカデミー賞をもぎ取ったと言われるわけである。

だからちょっとラストシーンが唐突過ぎてもいいじゃない。
若干釈然としなくてもいいじゃない。
そもそも一目惚れするフランス少女があんまり可愛くなくてもいいじゃない。
ええじゃないかええじゃないか。

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